逮捕直後が重要です
逮捕されると、48時間以内に身柄送検され、検察官は24時間以内に勾留(原則10日間警察署留置施設で拘束されること)請求するのが原則です。「これからどうなるのだろう」「早く釈放されたい」と不安に感じるかと思いますが、この72時間でどう行動するかによって、今後の人生が大きく変わっていきます。
逮捕・勾留されている間、ご家族と本人の接見が認められないことが多くあります。早期釈放を目指すためには、刑事事件に精通している弁護士にすぐ相談することが重要です。
釈放を目指す手段について
被疑者として逮捕、勾留されている間に釈放を目指すことが重要です。そのためには、弁護士が示談交渉をして、検察官に被害届の取下書を提出し釈放方法の交渉をしたり、裁判所に勾留決定に対する準抗告申立書や勾留取消請求書などを提出したりします。
勾留を阻止する
検察官は、逮捕から72時間以内に勾留請求をするか、起訴をしなければなりません。検察官は、被疑者を勾留して証拠を収集する必要があると判断した場合、裁判所に勾留請求をします。その後、裁判官が被疑者と面接して確認した上で、被疑者を勾留するか否か決定します。
弁護士は、検察官がどのような理由から勾留請求をしたかを判断し、不必要な勾留請求に対して法律で闘うことになります。私は検察官として様々な事件を担当した経験がありますので、検察官の視点も踏まえて判断し、勾留決定阻止のためのアドバイスを行います。
準抗告、勾留取消請求を行う
ある程度の大きさの事件や罪を認めない事件(否認事件)では、裁判官が勾留を決定することが多くあります。その場合は、準抗告、勾留取消請求を行うことで裁判官の決定を覆せる場合があります。
身体拘束が長く続いてしまうと、その間は仕事もできず、自由もなくなるなどの不利益が大きくなってしまいます。一刻も早く身柄を解放させるために、弁護士にご相談ください。
【参考】釈放と保釈の違い
保釈とは、起訴後に勾留されている被告人を釈放する手続きです。
保釈されても、勾留決定そのものが無くなるわけではありません。もし保釈の条件を破ると保釈が取り消され、再度勾留されることになります。
保釈中、旅行や住居などについて制限を受けることはありますが、普段通りの生活に戻ることができます。また自由に弁護人と相談できるようになるので、刑事裁判に向けて入念な準備を行うことができます。
保釈が認められるためには、保釈保証金を裁判所に預ける必要があります。金額については事件の大きさと被告人の置かれている状況などを考慮して裁判官が決定します。保釈保証金は被告人を逃亡させないための保証金なので、被告人が逃亡をためらうような金額が設定されます。保釈保証金は、判決後返還されます。なお、審査が通り手数料を支払えば、保釈保証金を立て替えてくれる会社があります。